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映画「名前のノート」感想評価|チリ発短編アニメ映画による集団記憶の祈りとエネルギー

今回はu-nextで鑑賞した、2023年のチリの短編アニメ映画「名前のノート」の感想評価です。(※一部ネタバレ含みます)

 

1973年にチリの軍事クーデターから起きたピノチェト独裁政権での未成年の行方不明問題を心に響くアニメーションで悼んだ作品です。

ノートを一枚一枚開いていくたびに、子どもたちや親の悲痛な叫びが聞こえるよう。

 

©Diluvio / Globo Rojo Films

ノート上で交わされる子ども達

本作「名前のノート」の特徴は、鉛筆で書かれたような手描きの線や絵がもたらす、ノートの“距離の近い質感”にあります。

人をあえて描かず、子どもたちの身近なサッカーボールや、服、靴下などが流れるように画面を過ぎていく。川のような鉛筆の漆黒の波が覆い、当時のエネルギーが今だ残っているように見える。

 

音楽はノートをめくる音や鐘の音、不安になるノイズが集まったような沢山のものが集まった内面が掻き立てられる感じですね。(集合音楽として監督が若者たちと録音したもの)

 

集合的記憶で子どもたちの好みやその家、家庭環境を映しだしていく。

(服が子どもを待っているというところが、日常が奪われていくようで恐怖感を感じます・・・)

また「帰ってきておいで。パン屑をまいて待っているから」という言葉もグサッと心に刺さる。

 

ラストは祈りのように51人の子どもたちの名前が読み上げられる。

8分でも十分に心に染み込んでいく、子どもたちの鎮魂と平和の思いが込められた記憶の映画です。

 

 

作品情報

タイトル   名前のノート(原題:Cuaderno de Nombres)  
制作年       2023年
時間    8分
制作国   チリ  
監督    クリストーバル・レオン、ホアキン・コシーニャ

 

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