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実写版『白雪姫』感想考察|女性像の変化とディズニーが失った魔法

今回はディズニー+の配信で鑑賞した、2025年のディズニー実写映画「白雪姫」の感想評価です。(※一部ネタバレ含みます)

 

アニメ映画「白雪姫」は、ディズニーの原点の一つのはず・・・大切なディズニーの宝物のはずなのに批判多め・・・この夢の王国の最新作の是非を確かめます。。(泣)

 

子どもの時に何度も観たと思うのですが、記憶が薄れているようで、後でアニメ版も見たらどうやって悪い王妃がやられたのか全く忘れていたという。

(つまり・・・そんなに好きではなかったのか?いいえ、ディズニー愛はあるはず・・・)

 

そんな感じですが・・・1937年、映画史に残るアニメ版が公開されて以来のリメイク実写映画の功罪と感想考察を真剣に率直に意見したいなと。

 

白雪姫

白雪姫

  • Rachel Zegler
Amazon

 


【あらすじ】

 

邪悪な王妃に追われ、王国を追放された白雪姫(レイチェル・ゼグラー)は、森の奥深くで小人たち、動物たち、そして盗人の青年たちと出会う。


やがて彼女は、自らの力で王国を取り戻す旅に出る。
これは、新しい“白雪姫”の物語――。

 


【ポイント①】存在感が薄くなった七人の小人と動物たち

 

まず本作で強く感じたのは、かつてディズニーが最も大切にしてきた“魔法”を感じる映像が損なわれたことかなと。

 

実写版の小人たちは印象が希薄で、個性が見えない。

アニメ版のおこりんぼうは怒りながらも、白雪姫を好きになるはずだし、おとぼけはもっと抜けている愛されキャラであるはず。

演奏・ダンスシーンなど白雪姫で一番の特徴だったはずのドタバタと七人の温かい関係が伝わりにくかったです。

(実写版の最初の小人たちの登場シーンはワクワクして良かった)


動物たちはアニメのように心を通わせる存在ではなく、ただの風景っぽさが強かったですね。
白雪姫を応援し、見守り支える、一緒に傍にいる感情や、そのファンタジーが死んでしまっていたように感じる。

 

もちろん、新しい白雪姫を模索して、構築しようとした気持ちは分かるけど、誰のための白雪姫であったのか伝わらないのが残念。

 


👑【ポイント②】白雪姫に現代の価値観を加えたヒロイン像

 

ディズニーのヒロイン像は、シンデレラなどの魔法や王子に救われる女性像から、ムーランやアナのように自ら冒険をし、切り開く力強い女性像に変わってきました。


本作の白雪姫も現代社会を反映して自分の言葉で、運命を切り開こうと前に進み、民衆と共に歩き王女と対決しています。王子は不在で、ヒーローは盗賊です。

 

ただディズニーじゃないけど、2012年のリリー・コリンズ版の「白雪姫と鏡の女王」みたいな、白雪姫が剣を取り、盗賊になって戦うみたいな感じまで振り切ってはいない。

本作は改革が中途半端で魅力が少なったので、もっと鹿に乗って剣で城に突っ込むくらいの(?)斬新な価値観の白雪姫も見たかったかなと。

 


🌠【総論】ディズニーが魔法を信じていない

本作実写版「白雪姫」は虐げられた少女が夢をつかむ、ファンタジー映画。

 

現在の風潮に映画を合わせすぎて、物語に魔法が生きていないのかなと。

ディズニーは王子や魔法や安易なご都合主義はないとメッセージかもしれないけど、こどもにはもっと心に響く魔法が欲しいですね。

(というか、本作で子どもは楽しめるのか疑問)

 

華やかなミュージカルや、映像の美しさは良かっただけに残念。

レイチェル・ゼグラーの演技も誠実で、静かな芯の強さや優しさの表現が上手く、透明感と圧倒される歌唱力も抜群に良かったです。

(映画の外での言動は擁護できないけど!)

 

 

また、「(500日)のサマー」の監督として知られるマーク・ウェブ監督の恋愛の微妙な表現の持ち味が、この映画に出ていないのがもったいないところ。

ただ、何故このような映画になったのかを想像すると面白いというか、「なんじゃこりゃ!!」と怒って文句をいう分には楽しいかも?

 

個人的にはもっとディズニーらしいファンタジーで動物が白雪姫と共に歩み、小人たちが暴れ回る、魔法が中心となる物語をみたかった。

 

というか、実写化の失敗多くないですか?ディズニーさん大丈夫ですか?

(まあ完全な実写化ではないけど、ライオンキングは成功しているので・・・)

とにかく、ディズニーは本当に夢を忘れてしまったのか、今後に注目です。

 

作品情報

監督  マーク・ウェブ 

公開  2025年

時間  109分  

制作国 アメリ

出演者 レイチェル・ゼグラー、ガル・ギャドット、アンドリュー・バーナップ など

 

関連おすすめ映画

 

・「白雪姫と鏡の女王」(2012):白雪姫が七人の小人に盗賊として鍛えられるというコメディが良く、ジュリア・ロバーツの邪悪な王女役の嫌な感じが最高。

eiganoarusekaide.com

 

・「白雪姫」(1937):原点にして頂点?当時の技術でよく出来たなと唸らせる美しい映像と滑らかな動き。小人や動物のコメディが生き生きとして楽しませてくれるハラハラドキドキの魔法の名作。最後の王子と眠った白雪姫のキスシーンは名シーン過ぎる・・・(王子の登場シーンはめっちゃ少ない)