今回はu-nextで鑑賞した、2024年公開のファンタジーアニメーション映画「ロード・オブ・ザ・キング/ローハンの戦い」の感想評価です。(※一部ネタバレあり)
名作「ロード・オブ・ザ・リング」の200年前を描いた前日譚。実写ではなく、アニメーションでローハンの死闘を描いています。
実写スピンオフも「ホビット」が制作されたので、実写はやりつくした感じがあり、アニメでの挑戦は面白いですね。この本作をポイントと、感想を交えて書いていきます。
あらすじ
ローハン王国の王女ヘラは、剣術をたしなむ気丈な少女。
ある日、国政会議の場で西境の領主フレカが、息子ウルフと王女の結婚を主張。
その要求に激怒した王ヘルムはフレカを殴打――しかしその一撃がフレカの命を奪ってしまう。
やがて、復讐に燃えるウルフが、亡き父の名にかけてローハンへ戦を仕掛けてくる。
ポイント①:アニメで蘇る中つ国――王女ヘラと鉄拳の王、ヘルム
主人公は人間、さらに女性ヒロインの王女ヘラ、舞台も人間の国ローハンというチャレンジ精神が感じられる設定。
監督は「攻殻機動隊S.A.C」、「東のエデン」などで知られる神山健治。
彼の手腕によりアニメ映像は、手描きの質感を生かし綺麗過ぎず、雄大で荒々しい血の通った映像となっている。
(何故、神山監督が抜擢されたのか理由は調べてもわかりませんでしたが、世界的に評価のある監督だからかな?)
神話的な空気感は秀逸で、集団戦の迫力、陰影や怪物の恐ろしさの表現も見ごたえがありますね。
ただ中つ国を舞台としつつ、映像の雰囲気、描き方が異なり、ロード・オブ・ザ・リングっぽいか?と聞かれると人によって答えが違うかもしれません。ここは皆さんの目で確かめてください。
ポイント②:鉄拳と誇りの王――亡霊となったヘルムの咆哮
王ヘルムは老齢であるのに領主フレカとの殴り合いで、一発殴っただけで命を奪ってしまいます。
(さすがにフレカ弱すぎなのでは・・・?)
純粋な青年だったフレカの息子ウルフは、復讐に憑りつかれ、非情な戦士に変貌する。
ウルフの復讐により、ローハンは大規模な戦争となり、ヘルム王は国、大切な人など多くの物を失う。
ここで心身ともに傷を負った王は国民を避難した砦に入ります。床に伏し、生きた屍と化しますが、ある日王はいなくなる。ヘラが見つけたヘルムは強靭な肉体と、圧倒的な拳で相手を破壊する鉄人となっていた。
(なんと拳でオークをつぶします・・・強すぎる!)
ちなみに個人的な本作の一番楽しかったバトルはヘルムVS巨大オークの戦いです。熱く、拳と拳でぶつかる規格外の迫力タイマンバトル!
ヘルムはオークとの戦いの後、外で再会したヘラを砦に戻します。
民衆が飢え、吹雪が荒れ狂う砦の門前、ヘルム王は一人立ちふさがり、ウルフの兵士を拳で打ちのめす。まるで人間の誇りそのもの、吠えるヘルム王はローハンの精神の権化として戦場に君臨していた。
誇り高き王が全てを失い、己の全てを賭けて戦う姿は熱いものがありますね。物語での成長と、想いのこもった生き方は主人公と言っていい活躍です。
(物語としては一貫としてヘラ目線で動きますが)
総論:チャレンジングなアニメ作品
本作「ロード・オブ・ザ・リング/ローハンの戦い」は幻想的で中世のファンタジー世界をアニメ映像で美しく壮大に描いたアニメーション映画。
ヘラの自分で運命を切り開く姿が、ヘルム王と重なり、精神と国の誇りを継承したことを感じさせる。民衆を守り切るという信念と覚悟が、命を賭けた行動で伝わってくる。
どのような戦略でヘラがウルフと戦うのかも面白い見所。
また、ウルフの純粋な青年がここまで鬼のように復讐に憑りつかれるのかと、変貌ぶりに人の内面について考えさせる面もあるかなと。また、覚悟のヘラと復讐のウルフの対比が印象的。
また、サルマンが一瞬出たり、ガンダルフの名前が出たりと原作に通じる世界観が感じられる。シリーズ全体の深みを与える一作にもなるかなと。
もちろん、この作品は独立したものなので、今までロード・オブ・ザ・リングを見てなくても楽しめます。
ローハンの国に響く、雪と氷に囲まれた鉄拳の王の熱い拳が見る人に語りかける一作。
作品情報
公開年 2024年
時間 134分
制作総指揮 ピーター・ジャクソン
監督 神山健治
出演 ブライアン・コックス(ヘルム)、ガイヤ・ワイズ(ヘラ)
(日本語版)市村正親(ヘルム)、小芝風花(ヘラ)、津田健次郎(ウルフ)など
関連おすすめ映画
・「ロード・オブ・ザ・リング」シリーズ:原作はトールキンの小説「指輪物語」。これを大迫力の壮大でリアルな中世を描いた冒険ファンタジー映画三作。2001年から2003年まで。外伝として「ホビット」シリーズも三作あります。

