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『北の果ての小さな村で』評価感想|氷に閉ざされた村で、人生の意味を見つける旅

今回はu-nextで鑑賞した、2018年のドラマ映画「北の果ての小さな村で」の感想評価です。(※一部ネタバレあります)

 

皆さんはグリーンランドと聞いて、何を思い浮かべますか?


真っ白な氷の大地? 永久凍土の静けさ? それとも人の気配がまばらな、遠くの世界?

映画『北の果ての小さな村で』は、そんな氷の地に新たに降り立った一人の教師と、そこに暮らす人々の価値観の違い、そして“本当の学び”を描いた静かな旅の物語。

 

北の果ての小さな村で(字幕版)

北の果ての小さな村で(字幕版)

  • アンダース・ヴィーデゴー
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あらすじ

 

舞台は、グリーンランド東部にある人口80人の小さな村。
デンマークから派遣された新任教師アンダースは、この村で子どもたちにデンマーク語を教える任務に就く。

 

だが、待っていたのは極寒の生活、反発する生徒たち、そして言葉にならない孤独だった。
中でもアサーという少年が「犬ぞりが大切だから学校を休む」という価値観に触れたとき、彼はこの地の「生きる」という感覚そのものに衝撃を受ける。

 

ポイント①:氷の全く異なる世界

 

遠くを映すショットには、終わりのない氷の山脈が連なり、風は氷とともに天を裂く勢い。静寂と荒々しさが、ひとつの風景に共存している。その奥には巨大な氷が浮かぶ青い海が展開されていた。

 

新任教師のアンダースは店も娯楽も何もないこの村で、一人デンマーク語を子どもに教えるために奮闘。村人からは見下していると思われたり、よそ者として仲間に入れない。

 

それでもアンダースは歩いていく。犬ぞりに乗り、猟師になりたい子・アサーとの交流から意識が、世界が変わっていく。

 

ポイント②:生きるとは何なのか?

 

やはりこの映画で問われているのは、どう生きるのかだと思いました。

 

アンダースはデンマークの実家が農場ですが、教師になりたい一心で価値観が全く違うグリーンランドという厳しい環境に入っていきます。

そこの迷いや苦しみ、喜びを通して、観客にあなたはどう生きているのかということを聞いているのかなと。

 

徐々にですが、アンダースは村人に溶け込み、犬ぞりに乗り、一緒に短期間の旅にも行きます。村人たちとトランプをして笑顔のアンダースの幸せそうな雰囲気だけで、この映画を見てよかったなと思えてくる。

 

総論:自分で学び、自分の道を示せ

 

本作「北の果ての小さな村で」はデンマークからグリーンランドの教師に来た主人公が価値観、生活の違いに悩みつつも、自分の人生を選んでいく物語。

 

また猟師になりたい8歳のアサーの人生の選択も、この物語の核となる。村よりも他の大き目の町に行くのが幸せなのか、村に残るのが幸せなのか、正解のない問いも考えさせられますね。

 

また、犬ぞりが多く出るので多くの犬や、犬の赤ちゃんが出演。また、白熊も現れて、動物の自然さに癒されます。そして氷の大地が壮大すぎて、圧倒される。

自らの人生を問う、癒しの映画。

 

氷に閉ざされた村で、アンダースは“違う世界”と生きる意味を学んでいる。
そして私たちも、日々の中で、自分だけの「犬ぞり」を見つける旅をしているのかもしれない。

 

作品情報

監督  サミュエル・コラルデ

出演  アンダース・ビーデゴー、アサー・ボアセン

 2018/94分/フランス