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映画「ノスフェラトゥ」感想

 

今回は大阪ステーションシネマで鑑賞した、ホラーファンタジー映画「ノスフェラトゥ」の感想・評価ですね。(※一部ネタバレ含みます)

 

本作は、1922年の『吸血鬼ノスフェラトゥ』を約100年ぶりにリメイクした作品です。

原作はブラム・ストーカーの『吸血鬼ドラキュラ』ですが、当時は著作権の関係で非公式に映画化され、名前を変えて制作されました。

(5月16日から上映)

 

スプラッターホラーではなく、超自然的ホラーなのでまた違った怖さかなと

主役はビル・スカルスガルド

 

www.universalpictures.jp

© CINEMORE

 

あらすじ

 

不動産業者のトーマス・ハッタ―(ニコラス・ホルト)は城の売約契約のため、オルロック伯爵(ビル・スカルスガルド)の元へ向かう。

 

一方、留守を預かる妻エレン(リリー=ローズ・デップ)は次第に悪夢に取り込まれていき、幻覚と狂気に心を蝕まれていく。

 

ポイント①:不気味、オルロック伯爵

 

トーマスは恐ろしい村を抜け、夜に引き込まれるようにオルロック城へと入り込む。

オルロック城は不気味で、広く古めかしい客間の明かりは暖炉の火しかなく、全体が暗い。

 

ここで初めて、オルロック伯爵が登場するのだが、低く唸るような声、暗さで顔が良く見えない、立ち姿の異様さで冷たい、身震いがする。

 

特に印象的なシーンは、座っているトーマスを中心に映しているカットでトーマスの後ろをオルロック伯爵がゆっくり移動するところ。

画面左に姿を消したかと思えば、次の瞬間には急に右から現れるところは、心臓が止まるぐらいの衝撃・・・!

 

(心臓に悪い!!ホラー耐性のない方は注意を)

 

ポイント②:悪魔に憑りつかれたエレン

 

儚く、美しい妻エレン役をジョニー・デップの娘のリリー=ローズ・デップが演じる。

普段は芯が強く、優しい心の持ち主だが、何かに精神を乗っ取られる。

 

悪魔に憑りつかれ、暴れ、暴言を吐く、豹変するエレンの二面性が恐ろしく、震え上がらせる。

デップの肉体的な内から出る狂気と祈りに揺れる表現も素晴らしいですね。

 

衣装も秀逸で、エレンの繊細さや、異様さを象徴する演出。

 

総論:心臓が凍る、極上ホラー

 

本作「ノスフェラトゥ」は吸血鬼を題材とした古典ホラーを大胆にリメイクした大作ホラーファンタジー

 

第97回のアカデミー賞の撮影賞、美術賞、衣装デザイン賞、メイクアップ&ヘアスタイリング賞の4部門でノミネートされていて、視覚的な美術的センスが凄く、ビジュアルの完成度が高い。

 

超高級お化け屋敷として、心臓が凍るような体験をしたい方におすすめですね。もちろん、美術的作品に目がない方にも。

 

おぞましい雰囲気を出す、視覚的な異様さは近年の作品では群を抜いていると感じました。緊迫感を持続させる工夫が上手い。

ラストも、魂が抜けるような余韻が素晴らしい。

 

トーマスのどんなにダークな面を見せられても、妻エレンに対する気持ちが冷めない、その純情さをニコラス・ホルトが真摯に演じているのがこの映画の一番熱いところ。

 

(ちなみに筆者としては、フランツ教授役のウィレム・デフォーが好きなので、狂気さと常識が合わさった演技が見れて嬉しかったです)

 

 

■ 作品情報

 

・↓これは元々のノスフェラトゥ

ニコラス・ホルト出演作品

 

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