今回はアマゾンプライムで鑑賞した、2023年のドキュメンタリー映画「70歳のチア・リーダー」のポイントと感想・評価を書いています。(※一部ネタバレもあります)
「人生100年」という時代ですが、目的がないと輝けない。そんな輝きの話。
シニア女性のみで構成されるチアダンスチームの表と裏を映す作品。
エネルギッシュかつ、老後を思わず考えてしまうような、生の映像がいいですね。
あらすじ
シニア女性で構成されるチア・ダンス・チーム「カレンダー・ガールズ」はアメリカ・フロリダを拠点として、週3回の練習と年間100回以上の公演を行う。
とんでもないパワーの裏には、一人一人の生活や老い、健康の苦悩が。それでも彼女たちは支え合い、「おばあちゃん」のイメージを覆していく・・・
ポイント①:おばあちゃんのユニコーン姿?
70代のアメリカ女性なら、テレビの前で笑って孫を抱いている、一般的なイメージだとそんな感じかなと。
今回出ている女性たちは、ユニコーンなど華麗な衣装を着こなし、大勢のお客さんの前で美しいダンスを披露し、「優しいおばあちゃん像」を打ち破る。
まだ青春の時代を生きているんだと、体全体で精一杯表現する姿勢に痺れました。
ポイント②:華やかなステージの裏で
シニアのチア・リーダーは楽しいだけではない。時間とエネルギー、家族の理解がいる。舞台に立つには過酷な練習や相当な苦労がある。
夫の反対や、体の不調、持病や老いで脱落する人が後を絶たない。
それでも、自分の生きがいを求め、仲間の元で踊るために彼女たちは舞台へ舞い戻る。
華麗なダンスの裏の老いや病気、老後の心配のリアルな声がより響くような演出が上手い。
総評:踊りに人生が滲む
本作「70歳のチア・リーダー」はシニア女性の派手な舞台と、老いなどの苦悩をリアリティを持って描き出したドキュメンタリー。
70代だからと言って諦めるのではなく、華やかな舞台という戦場へと繰り出していく力強さが際立つような演出。
彼女たちの体のシワや、表情、声の震えが今までの苦労を物語り、人生の深みがダンスから滲み出る。
自分の祖母と重ね合わせて観てしまい、思わずウルっときますね。
生きる気力が湧く、感情を揺さぶられるいい作品なので、おすすめです。
作品名:70歳のチア・リーダー
監督 マリア・ルーフブード、ローベ・マルティンセン
出演 キャサリン・ハーディ・ショートリッジ など
・似たようなおすすめ映画
・「83歳のやさしいスパイ」は実際の老人ホームで、その入居者が演技なしで出演しているので、半分物語、半分ドキュメンタリーという特殊構成ですね。
・「輝ける人生」はドキュメンタリーではないですが、踊りと人生が滲み出た、名言連発の人生の良作ですね。