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映画「リアル・ペイン~心の旅~」感想

今回はディズニー+で鑑賞した、2024年のドラマ映画「リアル・ペイン~心の旅~」のポイントと感想・評価を書いています。ネタバレもあるので注意してください。

 

正反対の性格のいとこ同士によるポーランドの旅の中で、心の痛みを描くドラマ映画。

2024年のアカデミー賞助演男優賞受賞作(キーラン・カルキン

 

監督・制作・主演は「ゾンビランド」、「ソーシャルネットワーク」のジェシー・アイゼンバーグ

 

 

あらすじ

 

アメリカ在住でユダヤ人のデヴィッド(ジェシー・アイゼンバーグ)は従兄弟のベンジーキーラン・カルキン)と久しぶりに会い、亡き祖母の故郷であるポーランドのツアー旅行に参加する。

 

ツアー客との出会いや、過去の歴史と共に自らの本当の痛みと向き合う・・・

 

ポイント①:心の旅

 

旅は観光地や食べ物などを楽しむのがほとんどだが、デヴィッドとベンジーポーランドの戦争の歴史や、祖母の昔の家を訪ねる心の旅というのが普通と異なる。

 

ベンジーポーランドの昔の人間は殴られ大変だったのに、自分たちは贅沢に列車の一等車に乗っているのは気持ち悪いなどの率直な意見にハッとさせられる。

 

全体に渡りショパンの有名曲が流れ、優しく二人の旅を包む。

ショパンの曲の力と映像が組み合わさり、見ている人の心の奥を温かく開放的にさせる。

 

ポイント②:デヴィッドとベンジー

 

この旅で、誰とも打ち解ける魅力的な性格のベンジーと、あまり社交的ではないデヴィッドの全く異なる性格の二人の心の交流が心の傷を浮き彫りにする演出が上手い。

 

ベンジーは何でも思ったことを正直に言ってしまう、迷惑だが愛される、感覚的で繊細な性格。

キーラン・カルキンが難しい役だが、その快活さと繊細さの両面を深く自然に演じている。

 

デヴィッドも繊細で、祖母を巡る旅にベンジーや日常の苦しみに対して感情を吐き出す演出、演技もリアルで上手い。

 

二人の心の繋がりと気持ちが今作の大きなポイント

 

まとめ

 

本作「リアル・ペイン~心の旅~」はデヴィッドとベンジーの心の傷に深く向き合う姿を心情豊に描いた作品。

 

ポーランドの美しい街並みも味わえ、ショパンの音楽に癒される。

デヴィッドとベンジーの本当の奥底の傷に立ち向かう姿は痛々しいが、感動的で、心が洗われる。

 

強制収容所の見学のシーンなど、説明は極力省かれ、感情に直に訴えてくるところも多く素晴らしい内容。

ドラマ映画として見ごたえ十分、満足の一作。いい映画で癒されました。

 

二人は旅の先に何を見るのか?

 

監督  ジェシー・アイゼンバーグ

公開年 2024年

制作国 アメリカ、ポーランド

時間  90分

出演  ジェシー・アイゼンバーグ

    キーラン・カルキン など