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映画「激突」感想

今回はu-nextで鑑賞した1971年のアメリカ映画「激突」のポイントと感想・評価について書いています。ネタバレもあるので注意してください。

 

セールスマンが運転中にトラックに追いかけられる恐怖を描くサスペンスの傑作。

やっぱり昔の名作はいいですね。恐怖感の演出が絶妙・・・

 

監督は当時、弱冠25歳のスティーヴン・スピルバーグ

主演はデニス・ウィーバー

 

激突! (字幕版)

激突! (字幕版)

  • デニス・ウィーヴァー
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あらすじ

 

セールスマンのデイヴィッド・マン(デニス・ウィーバー)は商談のため、車で移動中に前を走る大型トレーラーを追い抜かすが、再びトレーラーに追い抜かれたりと二度ほど繰り返す。

 

トレーラーの運転手は怒り狂ったのか、マンの車に猛烈なスピードで迫る。

 

ポイント①:悪魔的あおり運転

 

明確な殺意を持ってマンの赤い車と車間をぶつかる程につめる、錆びた大型トレーラー。

 

焦ったマンは坂を下り150Km/hを超える猛スピードで離そうとするが、トレーラもしつこくギリギリまで迫る。

 

飲食店と広い敷地を見つけ、間一髪飛び込み、急ブレーキで車が柵に当たってなんとか止まる。

トレーラーは過ぎ去るが、マンは生きた心地がしない。

 

不安を煽る音楽、主人公マンの恐怖の表情などの演出が抜群。

 

運転手が正体不明のため、トレーラー自体が一つの大きな怪物のように思えてくる。

 

窓からの腕や、ガソリンスタンドでの足だけは確認できるが、全身を映すシーンがないために不気味さを観客に想像させるやり方が凄い。

 

ポイント②:恐怖の運転手探し

 

やっと飲食店に入り、トイレで一息つくマン。

しかし、窓の外を見るとトレーラーが止まっていることに気づく。

 

席に着き、狂ったトレーラーの運転手を探すため、客の数人を観察する。

 

恐怖に捕らわれているため、めまいのようなクラクラした視点から客一人一人を怯えながら観察する映し方は、観る人を主人公と同じ気分にさせ、緊迫した時間を作り出す。

 

全員が敵に見え、平常心を保つのが難しく、恐怖で目が離せなくなる演出、撮り方の技術力が高い素晴らしいシーン。

 

まとめ

 

本作「激突」はトレーラーに追いかけられる恐怖感を最大限に表現した、傑作サスペンス映画。

 

踏切で電車が通る時に後ろから押されたり、通り過ぎたと思っていたら待ち構えていたりと演出の種類が多く、恐怖の90分をフルに使い切る。

 

狂ったトレーラーに執念深く追われるというシンプルな話をここまでのサスペンス大作に仕立て上げる20代のスピルバーグは凄まじい才能。

 

ラストシーンの最終対決、マンの策略と勇気が熱く、互いの意地がぶつかり、映像も迫力満点で白熱の名シーンとなる。

 

 

監督  スティーヴン・スピルバーグ

公開  1971年

制作国 アメリ

時間  90分

出演  デニス・ウィーバー