今回はアマゾンプライムで鑑賞した2021年公開、漫画原作のアニメ映画のポイントと感想、評価です。
想像以上に映像の表現が新しい、キャラも良く見てて情熱的で楽しかった一作。
ここからネタバレ注意を。
あらすじ
映画の都「ニャリウッド」で働く、映画オタク、アシスタントのジーンは、ある日天才プロデューサーのポンポさんから新作映画の監督に任命される。
映画の内容はオーケストラの天才指揮者の堕落と再生の物語。主演は伝説的俳優のマーティン・ブラドックと新人女優のナタリー・ウッドワードという組み合わせだが、一体どうなるのか?
ポイント① 映画リスペクトの表現
映画冒頭から、派手なミュージカル調での登場人物の紹介が目を引く。
時間の巻き戻しの多用、主人公ジーンが自分の人生を映画館で観ているような表現、場面展開の速さが他のアニメ作品と異なり、映画20分ほどで急速に引き込まれる。
(映画をリスペクトしたシーンが多く、監督の映画好きがよくわかり、物語に入り込みやすかった)
そして、一番良かった場面がジーンが映像を編集するシーン。
空想の中でジーンが大きなハサミを持ち、アップテンポの音楽で気持ちも乗る中、ぐるぐると回るフィルムをバッサバッサと切ったり、くっつけるところが爽快で熱の入るアニメ映画の良さが出たシーンだった。
序盤引き込んでから中盤、大きく映画のテンポが変わるのも印象的。新人監督・女優の映画つくりの苦労や、楽しみ、感動をじっくり映し出す。
ポイント② ポンポさんとジーン
小学生くらいの年、緑の目、白い可憐な服に赤いリボンのかわいい見た目のポンポさん。
このかわいいキャラが映画の天才で前向き、傍若無人ぷりもあり、ジーンが振り回されるのはシンプルに魅力があるキャラだと思った。
(正直言うと、もっとポンポさんの魅力を引き出すシーンが欲しかったぐらい)
ポンポさんの「二時間以上の集中を観客に求めるのは娯楽映画として良くない、90分が最高だ」という率直な意見も内面が出てていい。
また何も持たないからこそ、無限に映画の世界に浸りたいというジーンと対比になっていてより二人のキャラが深まる。
また、新人女優のナタリーの素朴さと真っすぐな姿勢、ポンポさんに巻き込まれるコメディ感もあり、いいキャラ。
まとめ
本作は映画的表現をアニメで盛り込むことで掴み、映画作りにかける情熱と夢を詰め込んだ青春アニメ映画。誰でも楽しめると思う。
映画の天才であるが故、映画に熱中できないポンポさんに、何も持たないジーンが情熱と夢を映画で必死に伝える思いが熱い。挿入曲「例えば」も気持ちを高めてくれるいい曲。
ポンポさんの信念どおり、90分で映画が終わっているのも面白い。
現在(2025年、3月)、見放題配信はアマゾンプライム、u-nextなど。
監督 平尾隆之
公開 2021年
制作国 日本
時間 94分
出演 清水尋也
大谷凛香など