今回は2024年の日本のコメディ映画「私にふさわしいホテル」のあらすじ、ポイントと感想・評価について書いています。
2024年の年末から劇場でやっていて、見ようか迷う内に公開終了していたので、配信されてすぐ見ました。気軽に見れて、結構笑えました。
アマゾンプライムで視聴。
主演は「さかなのこ」などの、のん(能年玲奈)。
監督は「TRIC」シリーズなどの堤幸彦。
ここからネタバレ注意。
あらすじ
新人賞に受賞しても特に本も出版できずにモヤモヤした生活を送る新人作家の中島加代子(のん)。
加代子は自身の作品を酷評した人気作家の東十条宗典(滝藤賢一)に復讐するため、いたずらをしかけていく。
ポイント①:加代子のいたずら合戦
加代子は中々売れっ子作家の道を歩めない。文壇権威の象徴のような存在の東十条に実力で黙らせる・・・ではなくあの手この手で攻撃していくのが面白い。
ホテルマンに変装して、執筆の邪魔。さらにバーでも高い酒をガンガン飲み、歌い踊り、去っていく。
しかも、支払いは東十条・・・これには東十条も呆然。
特に面白かったのは、酒場でのワンシーン。
加代子と東十条が出会い、加代子の編集者・遠藤(田中圭)が新人作家と話しているのを見つけて隠れる。
遠藤は、加代子がテクニックだけの大衆作家、東十条は玄人評価の低いタレント作家だとバッサリ言うシーンが痛快だった。(隠れている加代子と東十条は怒り狂う)
後半は少しずつドラマ部分が濃くなり、加代子の東十条や出版業界に対する思いの強さや、自身の作品の熱い気持ちが現れ良かった。(特にラストシーンは中々いい)
ポイント②:見事な主役のんの演技
今回、目を引いたのは主役のん。
老害と口悪く東十条を罵り、どん欲に作家として売れたいという野生的な魅力の加代子。
その無邪気で破天荒な一面と、作家としての情熱の両面を演じたのが見事。
さらに東十条の前では純朴なホテルマンに扮したり、魅力が開放された歌う姿など、色んな面がみれて良かった。(なんとトナカイ姿もある!)
のんの透明感とスクリーン映えする演技を今回で改めて確認できた。
できればのんはもっと色んな映画や、大作で見てみたい。
まとめ
「私にふさわしいホテル」は不遇な作家・加代子の奮闘をコミカルに描きつつ、文学への情熱も感じさせる作品。
堤監督の「トリック」や「スペック」みたいな奇抜な演出は控えめで、落ち着いた作風。
クスクスと笑えるエンタメ作品でありながら、現状を打破する力と加代子の複雑な心情を描いたキラリと魅力が光る一本だった。
監督 堤幸彦
公開 2024年
制作国 日本
時間 98分
出演 のん
遠藤賢一
田中圭 など