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映画「ブルータリスト」感想~美術的価値が高い~

イオンシネマで鑑賞した映画レビューです。

 

3時間半の大作ドラマ映画「ブルータリスト」のポイントと感想・評価を書いています。

ネタバレもあるので注意してください。

 

芸術的な側面が大きく、人物の感情の描写も独特な作品。

 

個人的に「戦場のピアニスト」が好きなので期待して行きました。

主役はエイドリアン・ブロディ

 

 

あらすじ

 

ハンガリーユダヤ人のラースロ・トート(エイドリアン・ブロディ)はホロコーストを生き延びて、アメリカへ行くことに成功したが、妻・エルジェーベトと姪のジョーフィアと強制的に離されてしまう。

 

トートはアメリカでハリソン家から依頼された、巨大な礼拝堂の設計に挑む・・・

 

ポイント トートの苦悩

 

トートの苦悩は深い。まず、いとこには妻に色目を使っていたと疑われ、捨てられる。

 

雇い主のハリソンは機嫌が悪い時は怒鳴り散らすし、外国の建築家なので地元の作業員ともうまくコミュニケーションが取れない。

 

困難続きだが、弁護士の複雑な手続きを経て、やっと妻と姪がアメリカに到着する。

 

ここで、感動の再開をもちろん期待・・・が、そう簡単な展開に転ばない。

 

妻は知らない間に足を悪くし、車いすに乗っていて、久しぶりの会話もかみ合わない。

現実は上手くいかないことを痛いほど、見る人に叩きつける。

 

 

まとめと感想

 

本作「ブルータリスト」はユダヤ人の建築家のアメリカでの苦悩を描いた独創的、芸術的な大作ドラマ映画。

 

見る人に壮大な美、深い感動と歴史の影を感じさせるいい作品。

 

3時間半を超える大作だが、休憩時間を途中15分挟むので、長い時間作品に没入できる。

 

トートの理不尽、不寛容に苛まれる心を感じるにはこの長い時間が必要で、結果深く繊細な世界観に浸ることができた。

 

礼拝堂の制作シーン、その内部を映すところが非常に芸術的で、映画館の中に美術館を出現させたような映像体験だった。

 

心理描写、芸術度は凄いが、派手なアクションシーンなどはないのでエンタメ的には少し弱く、万人には受けにくいかもしれない。

 

でも映画好きや芸術に敏感な方には、是非この圧倒的な映像体験を楽しんで欲しいです。

 

 

監督  ブラディ・コーペット

公開  2025年

制作国 アメリカ、イギリス、ハンガリー

時間  215分

出演  エイドリアン・ブロディ

    ガイ・ピアース 

    フェリシティ・ジョーンズ など