独創的なアイデアを生かした2019年のフランス映画「ベルエポックでもう一度」のポイントと感想・評価を書いています。ネタバレもあるので注意してください。
ロマンティック・コメディ。
皆さんはこんなサービスあったら利用しますか?
あらすじ
元売れっ子イラストレーターのヴィクトル(ダニエル・オートゥイユ)は、60代となりすっかり仕事も減り、文句ばかり。
そんな彼に愛想を尽かした妻マリアンヌ(ファニー・アルダン)は、ついにヴィクトルを家から追い出す。
居場所をなくしたヴィクトルは、息子が紹介する「タイムトラベルサービス」を利用することになる。それは、利用者が希望する時代や場所を完全再現するために、セットや衣装を作り込み、役者まで用意するものだったー-。
ポイント① タイムトラベルサービス
ヴィクトルが選んだのは、妻と初めて出会った1974年のリヨン『ラ・ベル・エポック』
その店のセットは、彼が描いたイラストをもとに作られ、家具や小物、当時の雰囲気まで再現されている。
当時の話した言葉、妻役のマルゴが話相手に水をかけるシーン、歌手が入ってくるシーンなどの詳しい再現により、ヴィクトルは1974年にいる感覚に引き込まれる。
ポイント② 過去を再体験するヴィクトルの変化
ヴィクトルはただ過去に浸るだけではない、かつての情熱や活力を取り戻し、息子の会社で働き始める。
さらに妻役のマルゴに恋をしてしまう展開も過去を投影しているのだろうか。
これは単なる懐古趣味ではなく、自分自身を再発見する旅だと思う。過去に浸ることで現実を見つめ直すヴィクトルに観ている人は心を動かされるだろう。
まとめ
この映画は、恋する気持ちがどう生まれるのかを丁寧に描いたロマンティックな時間旅行だ。過去の再体験を通じて、彼が現実の愛にどう向き合うのかラストの展開にも注目して欲しい。
さらに、フランス映画らしい洒落た演出やノスタルジックな映像美、音楽が物語にさらなる深みを与えている。
監督 ニコラ・ブドス
公開 2019年
制作国 フランス、ベルギー
時間 115分
出演 ダニエル・オートゥイユなど