映画のある世界で

人生に迷った時は映画を…いつも迷ってるかも

映画「能登の花」感想

 

2024年公開の能登半島地震に関してのドキュメンタリー映画能登の花」のポイントと感想・評価について書いています。ネタバレもあるので注意してください。

 

監督はイタリアのトマゾ

 

 



簡単なあらすじ

 

イタリア人写真家のトマゾと友人の映画監督が、能登半島地震後の被災地で活動するボランティアチームを記録したドキュメンタリー映画

 

地震から3か月後、ボランティアチームであるアドリアーナたちは、被災者のためにイタリア料理を振る舞い、トマゾたちはその活動に密着。

 

準備段階から現地での活動、彼らが見た被災地の状況、そして活動を通しての地域住民との交流が描かれる。

 


ポイント 人生で築いてきたものが崩壊するということ

 

活動も終盤に差し掛かる中、トマゾは瓦礫の山と化した街並みを車の中から見ながらなんとも言えない表情で言う。

 

「この体験を一生忘れることはないだろう」と彼の人生観は少しこの活動で変わったのかもしれない。

 

「自分かどんなに恵まれているかわかった。全てを失うことが怖い。全てなくなり一人になることが」とさらに言う。

 

自然のあまりにも大きな存在に人生の無常さを思ったのだろうか。一瞬で全てを奪っていく無慈悲な力に。

 

 

それでも映画では住民の必死に生活する姿や、イタリア料理を貰っての笑顔が映し出される。こんな状況でも未来に向かう姿は凄いとしか言いようがない。


まとめ

 

映画は悲惨な状態の能登を映すが、住民の顔は再び立ち上がろうとする力を感じさせる。被災地の記録映画なのに少しポジティブな気持ちにさせてくれる。

 

30分の短編映画だが、内容は濃密で完成度は高い。

 

有名なクラシック音楽が劇中よく使われているが、不思議と合っている気がした。

 

 

 

監督  トマゾ

制作年 2024年

制作国 日本、イタリア

時間  30分