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映画「アナログ」感想~限定された状況だからこその大切さ~

今回は去年、映画館で見ようとしたけど、観るの忘れていたのでAmazonプライムで配信されてすぐに見た一作を紹介。

 

 

原作はビート武の小説。主演は二宮和也、波瑠。この二人の共演はあんまりイメージしずらかったですね。でも、演技が上手い二人なので期待していました。監督はタカハタ秀太

 

 

 

あらすじ

 

デザイン会社に勤める主人公・水島悟(二宮和也)はまじめで優秀な会社員。ある日、自分がデザインした喫茶店で、店の変わった場所を褒める女性、美春みゆき(波瑠)と出会う。みゆきはスマホを持っていないため、連絡先を交換せず二人は時間が合えば「木曜日にこの喫茶店で会う」という約束をする。その限られた時間の中で二人の関係が変化していく・・・・・

 

 

引用:公式サイト

映画のポイント3つ

 

①アナログの関係の良さ

 

今作の特徴の一つはなんといっても、タイトル通りアナログでの二人のやりとりということです。木曜日のこの場所で会うという限定的なルールの中で、その時間での出会いの偶然性や、一瞬の重要さが強調されていると思います。

さらに、この設定が現代の私たちに問いかけてくるのは、「便利さと引き換えに失ったもの」についてです。スマホSNSを通じたつながりが当たり前になった時代に、この物語はあえてアナログな方法で人間関係を築く難しさと美しさを再発見させてくれます。特に、週に一度しか会えないという制約が、二人の絆を深める上で逆に重要な役割を果たしている点が印象的でした。

 

 

➁二人の主役の演技

 

二宮さんは得意とする繊細な演技、時折見せる微妙な表情が、悟の孤独感や愛への不安をリアルに伝え、観客が彼に感情移入しやすくなっています。派手さはありませんが、繊細な心情が宿っており、ラストに向けての成長がしっかりと伝わります。こういう演技が一番上手い俳優さんですね。

波瑠さん演じる美春みゆきは、どこか謎めいていながらも温かさを感じさせるキャラクターです。彼女の落ち着いた佇まいと、柔らかな声のトーンが、みゆきのキャラに合っています。独特の世界観を自然に表現する演技は絶妙でした。二人とも繊細な演技で作品を支えています。

 

 

➂悟の友達役のバランス

 

悟の友達役として桐谷健太さんと浜野謙太さんが出演しており、三人で話しているシーンはとても自然で、まるでアドリブかと思えるほどです。(アドリブもあるはず)特に、悟の内向的な性格を茶化しながらも、さりげなく支え合う関係性が微笑ましく、観ている側に安心感を与えます。シリアスな場面が多い中、こうした癒しのシーンが作品全体のバランスを保ち、観客にほっとするひとときを与えてくれます。

 

 

まとめと感想

 

正直、二宮さんと波瑠さんの組み合わせはどうなんやろ?と疑っていましたが、二人とも繊細な演技がやっぱり上手くて作品にマッチしていました。配役完璧ですね。他にも、リリー・フランキーさんなどの存在感のある脇役の演技にも注目。

あと、北野武作品イメージが暴力と暗い雰囲気だったので、今回の繊細過ぎる作品のギャップにびっくりしました。「本当にたけし原作なの??」って。ラストシーンは正直ちょっと泣きました。久しぶりにちゃんと映画で心から感動して、びっくりしました。興味が湧いたので、原作を読めたらいいなと思います。

 

やっぱり、スマホに頼り過ぎたらだめだぞ的なテーマはあるのかなと感じました。スマホでどこでも繋がれることから、失ったものはあることを忘れるなということですね。これは人間関係すべてに言えることですね。

現在配信で、Amazonプライムで見放題、レンタルはいっぱいあります。まだ観ていない方は、ぜひ感動的なラストシーンを見てください。

 

 


www.youtube.com

 

 

監督   タカハタ秀太

公開年  2023年

制作国  日本

時間   119分

出演   二宮和也

     波瑠  など