「侍タイムスリッパー」感想~第二の「カメラを止めるな」??~
11月4日のイオン草津シネマにて、鑑賞しました。
侍タイムスリッパーは話題になっていたので、やはり見たいなと思っていたのですが、中々見れず、今回の鑑賞となりました。タイトルの前にシネマトークと書いてあったので、最後に映像で舞台挨拶でも流れるのかなと勝手に思っていました。4日は侍タイムスリッパーは一回だけの上映でした。
監督は安田淳一。主演は山口馬木也。制作会社は未来映画社。自主制作の制作費用は2000万円程度で、最初は1館での公開でしたが徐々に増え、300館以上の全国上映となりました。
簡単なあらすじ
会津藩藩士の高坂新左衛門は長州藩士を討つために、同胞と二人京都へと向かい敵と戦います。しかし、戦闘中、落雷により現代にタイムスリップしてしまいます。目を覚ました場所は京都の時代劇撮影所で、間違えて撮影中に入ってしまい、追い出されます。高坂は街を彷徨い、寺の前で倒れていたところを住職夫妻に助けられ、居候となります。そして、偶然人手が足りず時代劇で切られ役をやることになります。そのあと、高坂は剣の腕しか取り柄がないため、役に立つために切り役を仕事にしようと殺陣師に弟子入りしようとします。
感想など
正直、タイムスリップの映画なんて作られ過ぎているので、新しいアイデアもなくたいしたことないだろうと高をくくっていました。実際序盤は主人公、高坂がタイムスリップして、時代劇を本当だと思って乱入したり、食べ物など現代の様子に驚くなど、コメディ要素が多くあり、物語全体の脚本構成がコメディよりなんだろうなーとか適当に思っていました。
しかし、途中から真剣に切られ役を目指すようになり、話の展開が変わってきました。高坂のようなタイムスリップで来た侍が、衰退していく時代劇の切られ役というのを真剣に取り組んでいる様が、胸を打ちます。本物の侍が時代劇に出ることを通して、その時代の心意気を現代に伝えようという思いが伝わりました。脚本の面白さと、時代劇に対しての愛、演出の素晴らしさ、演者の迫真さが合わさった良作です。
インディーズ映画で、「カメラを止めるな」以来のヒットとなった理由がよくわかりました。見に行って良かったです。ただのタイムスリップ映画ではなく、意味のある映画としている脚本が素晴らしい。実際、時代劇も昔から激減していると思うので、その問題を取り上げる意味も今作では担っている感じですね。
今作のポイント3つ
①タイムスリップした侍が切られ役になるという脚本の面白さ。
➁時代劇は終わっていないというテーマ
➂タイムスリップ要素を使った、時代の心意気を伝える大切さ。コメディからガラッと変わるシリアス展開
監督 安田淳一
公開 2024年
制作 日本
時間 131分
出演者 山口馬木也
富家ノリマサ
沙倉ゆうの など
まさかの舞台挨拶
上映が終わり、初めてみる上映後の拍手がありました。筆者は上記で書いたように公開舞台挨拶が映像で流れるものだと思っていたので、トイレを我慢し待っていました。しかし、以下の画面が出てきました。
んん??どうやら、監督と役者の方が今この場所で、舞台挨拶をしてくれるというものらしいと合点がいき、驚きました。
10分くらい経ちの沙倉ゆうこさん、切られ役のきらく尚賢さんでした!(遠いから画像粗い・・・)
監督、俳優陣の映画に興味をもったきっかけや、撮影の大変だったところなど30分ほど聞けました。印象的だったのは、安田監督が面白いものを作れば、上映1館からでも増えていくものだとおっしゃってたことですかね。あと、インディズ映画でも少しでも流す枠を作ってくれたらいいなみたいなことをおっしゃってたところですね。それから、映画の助監督役が実際に助監督をやっていたというのがすごいなーと思いました。
そのあと、心配無用の介の女性を助けるシーンを即興でやってもらったり、撮影タイムを作ってもらったりしました。最後に扉を出たところで、お見送りをしていただきました。
しかし、いい映画をみたあとに、その監督、俳優陣の話が聞けるなんてとても贅沢な時間を過ごさせていただきました。(初めてでびっくりした。しかも目の前と思ってなかったし)
イオンさん見直しました!!!(いや、決して別に文句がいままであった訳ではないからね!!)ありがとう!感動!